今、ライブを開催することこそが真の"英断"【BanG Dream! 8th☆LIVE Poppin'Party -ポピパ- レポート】
コロナ禍の中、「BanG Dream! 8th LIVE 夏の野外3DAYS」の三日目に参加してきました。
思えばリアルライブに参加するのは7ヶ月ぶり。
水瀬いのり、宮野真守、LiSA、蒼井翔太、Official髭男dism…参加する予定だったライブが半年で10以上潰れ、ライブを心の底から生き甲斐に仕事をしていた僕はこの半年間、実質の「新型コロナにおける死者」でした。
そんな中、一筋の光を真っ先に見せてくれたのは「バンドリ!」というコンテンツ。
ブシロード代表の木谷氏のコロナ禍でのインタビューはとても面白いのでぜひ読んでほしいです。
さすが、一代でブシロードという企業を築いた実業家の決断の早さが光っています。
当たり前のように訳の分からないゼロリスク信仰が蔓延し続ける狂ったこの世界で、勇気を持ってライブ開催を決定した木谷氏、素晴らしい。
https://www.j-cast.com/2020/06/19388159.html
会場の富士急に着くとスタッフが繰り返し「ソーシャル・ディスタンスを保って歩いてください」と注意を促し、マスクは必ず着用、入場時には楽天チケットの写真による本人確認、サーモグラフィによる検温がなされていましたが、マスクが暑苦しい以外は客側に負担はありませんでした。
電子チケットに自己申告表が付属していたみたいですが、よく読まずに押し進めていったのでそこは分からず、特に何かを新しく書くこともなく。
厚生労働省の、もはやまともに機能していない新型コロナウイルスの接触追跡アプリ「COCOA」のインストールも義務化されていましたが、インストールしているかどうかは一度も確認されていません。さすがハリボテアプリ。
客席は前後左右一席ずつ空いていて、ライブ中に踊り狂いたい派の僕としては多動に耐えうる構成でここはもうコロナ様様。コロナ様の唯一の功績と言ってもいい。2,000円の値上げで前後左右に人がいなくなるなら毎回払います。どんなに動いてもウイルスは飛ばないのでそこに対して特に制限もなかったです。
そんなこんなで始まった8thライブ。
「Morfonica」は初ライブが今回の富士急での野外ステージ。
直田さんしか存じ上げていないので基本的にはずっと透子(CV直田さん)を見ていましたが、喋る喋るとにかく喋る。
直田さんは周りをよく見られて引くところは引けて賢くトークを回せる人なので、そういうのもあってあの立ち位置なのかと思ったりしたんですけど実際どうなんでしょうね。
透子というキャラクターがよう喋るってのは分かったんですけど、キャスティングの段階でそういうところまで考えるんだろうか。
それにしても「Morfonica」はヴァイオリンがすごい。新しいユニットをヴァイオリン推しで売り出したのは間違いなく正解。キービジュはオタク受けしなさそうだったけど…というかガルパユーザーじゃないの透けてる感想ですいません。バンドリ!はアニメとバンドリ!TVしか見ていません。
ヴァイオリンが凄すぎてセンターの若い女の子、あまねちゃんがかなり飲み込まれていた感もありましたけど、ここから彼女の成長物語を見届けていくのはなかなか面白いのではないでしょうか。
なんたってまだ16歳らしいですからね。怖いよもう。
お次は「Pastel*Palettes」のあみた登場。2018年1月にあったガルパライブ(残念ながら屈指のクソイベだったやつ)以来に彼女を見ました。
パスパレも色々と物語を紡いできたのでしょう。千聖(CV上坂すみれ)が登場したシーンは声が出せない中でもオタクの熱気を感じました。
「天下トーイツA to Z⭐︎」めっちゃ楽しいですね。なんで声出せないねん。代わりに踊り狂いました。小梅太夫並みに踊ったねぼかぁ。
久しぶりにリアルライブが出来て、感極まって涙を浮かべるあみた。うーん、可愛い。クラスにいたら絶対にインキャにも分け隔てなく接してくれるタイプだよなぁ。
あ、そうだインキャと言えば幕間映像で「全力!バンドリタイムズ」という「全力!脱力タイムズ」のパロディ番組が流れていましたがあれオタクで元ネタ知ってるのどのくらいいたんでしょうね。オタクったらゴールデンのバラエティ見ないですからね。
完全に脱力タイムズのテイストで、有田哲平のポジションに愛美、ゲストポジションにあまねちゃん(16)、おそらく解説員の位置にあみたが配置され、終始笑わせてくれたのはとても良かったですね。
そこであみたがインキャ弄りされていましたが、真のインキャから言わせてもらえばあみたは間違いなく全然インキャじゃないですよ。
あれでインキャだったら僕はゴミムシですよ。
幕間映像もありがとうございました!楽しんで頂けましたか?✨#バンドリ富士急_day3#バンドリ8th pic.twitter.com/w4sJFacoen
— 愛美 (@aimi_sound) August 23, 2020
そしてお待ちかねの「Poppin'Party」が出てきた頃にはすっかり、陽が落ちて…
歌声は、星となり、流れだす「Time Lapse」そう感じ続ける…!!!
僕と連番者「あああああああ!…あ、やべ!」
もう、叫ぶのは人の本能なんだってはっきり分かってしまいました、声出ちゃうよあんなの。
だって本当に陽が落ちた瞬間に「Time Lapse」なんですよ?無理無理あんなの。
それにしても生の音は気持ちがいい。最高。全身の細胞が音を求める、毛穴が開いて、またポピパの音楽が聴けた嬉しさに快楽指数が大麻のそれを超える。
からの、一番聴きたかった「イニシャル」。君は2020年夏現在、今のところ今年のベストアニメソングだと思ってるよ。
出だしサビ直後間奏のドラムシンバルがたまらない。好きすぎて困る。身体が自然に宙に浮き、唇からエモーションが溢れ出す。
半年待ったリアルライブ。これが音を浴びる、本物のライブなんですよ。オンラインライブでは絶対に味わうことのできない、今後も絶対に味わえない、不可侵の領域。ここにしかない時間。半年分の我慢が全部溢れて、変になる。
真夏の富士急で愛美が高らかに宣言する、「ここからは夏の曲!」
「夏のドーン!」
もうねこのタイトルから僕の心を映し出しているんですよ。ドーンですよドーン。半年ぶりに飯食った感じですよね、これもう。
途中打ち上がった花火に思わず「おー!!!」と声を出すオタクたち。最高だね。
夏のドーン!で花火が上がったときに思わずオタクたちが声出してたのすごい良かったし、アンコールとかで愛美が「みんなも一緒に!」って煽ってオタクたちが新型コロナの新ルールかなぐり捨てて歌ってたシーン、マジでマジで涙無しでは見られない。これが現場なんですよ…ああ、最高。
— ガチ兄さん (@otonokigachi) August 23, 2020
「夏空 SUN! SUN! SEVEN!」
お恥ずかしながら現場被りの影響もあってポピパの単独は4th武道館以来だったのでこの曲がこんなに楽しいテイストに進化しているなんて思わなかった。
サビでどうしても踊りたいポピパ。あやさ以外が踊り出して演奏が止まり、あやさが説教。からの2回目はあやさだけが踊り狂いポピパが説教。りみ、ヤンキー切れ。最後にもう一度、全員が躍り狂うお決まりのパターンも全部全部楽しくて、愛おしい。
笑い声が出ちゃうのはしようがないよね?オタクみんな笑っててすごい良かった。
今回のライブのコンセプトの一つに「笑いを届けること」があったというポピパ。それこそがエンタメの役割だと明言する木谷社長の言葉をポピパも自ら体現して見せたと言うわけです。人間って、笑うだけで本当に幸せになるんですよ。それに久しぶりに気づかせてくれたポピパ、最高かよ…
「八月のif」
この曲を作ったエレガ藤永さん、作詞した中村航さん、国民栄誉賞。
ポピパの真骨頂はこの曲に全て詰まってる。センチメンタルで美しいハモリがあの頃の夏を想起させ、ただただ聞き入ってしまう。
イントロからアウトロまで完璧で。野外で、八月で、コロナ禍で。言葉がないですもう。なんだこの曲、エグい。好きが爆発する。
「八月のif」、聴いてください。
そこからは「ときめきエクスペリエンス!」、「STAR BEAT! 〜ホシノコドウ〜」、「ティアドロップス」と主要曲が続いて、当たり前のように盛り上げてくれるポピパ。もう何度も聴いた「ティアドロップス」でブチ上がってジャンプできるのが、こんなにも幸せなことだったのかと震えます。
「STAR BEAT! 〜ホシノコドウ〜」では巨大な星形UOを光らせながら退場していくオタクがいて、人生で初めて厄介オタクに感動してしまった。これが、これこそが現場なんですよ…もはや光害ですら愛おしい…
全体的にニューアルバム「Breakthrough!」からの曲は控えめでしたが、10月の単独ライブのサブタイトルが「Breakthrough!」らしい。なるほど。
そして最後に「ミライトレイン」。中村×藤永のエモ楽曲にまた泣かされる。
こういう楽曲で締められるのがポピパの強さなんですよ。もっと人気出て。
というかポピパの曲って年を重ねると刺さるところない?香澄が作中に何度も言葉にする「キラキラ」を否が応でも感じざるを得ないんですよ。最後のMCのりみりんの「ただいま、おかえり、逢いたかったよ」でもうダメだったね。万感の「俺もー!」を心の中で叫んだよ…
ポピパが退場して、沈黙のちにアンコールは手拍子で。やっぱり手拍子だけのアンコールはちょっと寂しいね。
Raychell、相羽あいなが特別ゲストで参戦し、Poppin'Partyと一緒に「夢を撃ち抜く瞬間に!」を熱唱。アニメ3期の再現はいろいろあったけど全てをいい思い出に昇華してくれるような魔法のかかった曲でした。3期のOPED、やっぱあまりにも強すぎるわ。。。大量に花火も打ち上がり、屋外ライブの神さを改めて感じた。ランティス祭りよ、聞いてるか?
新型コロナウイルスが収束するのか、薬ができるのか、はたまたウイルスを当たり前のリスクとして人々が許容するのか。
世界がどんな結末を迎えるのかは未知数ですが、そんな中で「バンドリ!」は業界の先陣を切って素晴らしい一歩を踏み出してくれました。
コロナに関しては色々な考え方がありますが、「自粛をしない」というのは現状、世間的に見てもかなりイメージの悪い選択肢に思います。
そもそもコロナに関しては各々、感情的な考え方が溢れすぎていて、そしてその中で「人が死ぬんだぞ?」という意見が強すぎる力を持っている。これに対して数字を出して反論したところで、人が死ぬリスクを軽視した者はどうしても「悪」に分類されやすい。
ただ、ライブというエンタメはそれを心の支えにしている人にとっては無くてはならないものです。正直、命と同等レベルで大事です。ライブのない日々はまさに死んでるようなものでした。これ以上、死んでるわけにはいかないです。バンドリ!に続いて、どんどんライブを開催してほしい。じゃないとまた死んじゃうのでお願いします!!!