水瀬いのりは今、オタクから何を求められているのか。【LIVE TOUR 2019 Catch the Rainbow!ライブレポート】

   

「Catch the Rainbow!」での今までになかった変化

自分が思っている以上の速さで水瀬いのりがすごい存在になっていて。私自身も「水瀬いのりってすごいんだな」と気持ちが分離しちゃうときがあって、感覚を追い付かせるのに必死です。

水瀬いのり「Catch the Rainbow!」インタビュー|日本武道館へ向け、新しい扉開いた3rdアルバム - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

3rdアルバムのインタビューを読んでいて、思わず唸りました。
いのりちゃんは本当に自分がなんでこんなに人気なのか今でも分かっていないんだと思います。
正直、僕も分かっていなくて、アニメでいいキャラの声は当ててるし、トークも面白いし、歌も文句なしにうまいけど、1stライブから国際フォーラムを埋めて、アーティストデビューから4年で武道館2Days満員にしちゃうくらいファンを獲得しているのは、やはり驚きです。
この、彼女自身が「分かっていない」ってことが僕にはすごく刺さっていて。
分かっていないってことは、要するにそれについて真剣に考えているってことなんですよね。
「なんで私はこんなにも多くの人に求められるんだろう」って、考えてるんです。
本人の性格がもともと暗めだからこそネガティブに取られがちかもしれませんが、そういうものを抜きにして、純粋な疑問として持っていると思うんですよね。
トークの節々からも、それはずっと伝わってきていて。

そんな中、「Catch the Rainbow!」で彼女から感じたのは、「分からないけど、それでも目の前にいる私を好きでいてくれるたくさんの人たちに報いたい」という強い意志。
多くのファンは、いのりちゃんにアイドル的な可愛さを求めているように僕は感じます。
ちなみに僕は彼女に求めているものが違うんですけどね(オタク特有の分かってる風マウント)。
ぶっちゃけると、アルバムに入ってる可愛らしいダンスナンバーは、そもそも彼女の思考にマッチしていないし、僕は苦手なんですけど。
それでも彼女が役者であるということを考えると、そういう幅のある楽曲を歌い上げることは至極当然であり、違和感があるわけではない。
彼女自身も苦手でほとんどイヤイヤでやっていたダンスナンバーを、今回のライブでは苦手と言いつつも、役者・水瀬いのりになりきってこなしていました。
これは、前回のライブ「BLUE COMPASS」までとは明らかに違う変化でした。
この一年間で彼女は、自分の価値をしっかりと再認識して、明確に自分の中に落とし込んだのだと思います。
私を求めてくれる人がいる。頑張れば喜んでもらえる。手を触れば笑顔になってくれる。みんなに向けて歌っている。
とても単純で、それでいてとても難しいことを、やっといのりちゃんは、本心からできるようになったのだと今回の公演で感じました。

「私もこれからまた成長していきます。皆さんも自分のスピードで成長していきましょう。」

最後のあいさつ、だったかな、「自分のスピードで」、そう付け加えた彼女はとても優しい子だなと思ったし、何より実感がこもっていて、思わずウルっときました。

これから、水瀬いのりに求めたいこと。

弱冠23歳で武道館を埋めてしまった彼女にこれから求めたいことは、彼女主体で、歌うことに意味を持たせ続けることです。
与えられた楽曲を、ただ闇雲に歌っていた初期からは大きく変わり続けている彼女は、最新アルバムで初めて作詞を担当しました。
その作詞した「Catch the Rainbow!」を歌う前に、「一番で言いたいことを全部詰め込んでしまって二番の歌詞がない、私のみんなに対する気持ちはそんなものなのか!」と見事な自虐ネタで笑わせてくれた彼女ですが、
今は歌うことが幸せで、聞いてくれる人と一つになれることが本当に幸せなんだととても伝わってきました。
その幸せはやがて、彼女にとって、尊いことだけど、当たり前のことにもなってくるはずです。
そんな時に、「私はこれをやりたい!何故ならば」、という構文で全てのパフォーマンスに意味づけを出来たら、彼女のライブはさらに大化けするという確信があります。

今回その片鱗をいのりちゃんは見せてくれました。
武道館初日、二日目ともに流した涙が、それです。
武道館に立って歌うという、アーティストにとっては途方もない夢が叶ったこと、そこに、私を大好きでいてくれる人たちだけがいるということに胸がいっぱいになって、歌詞を噛み締めながら泣いていたのが非常に印象的でした。
「なんで泣いたのか」なんて書くのは死ぬほど野暮なわけですが、許してください。
歌を聞くだけで彼女の想いがいっぱいに伝わってきた、ものすごい価値のある涙だったのだから。

 
 
真面目に書きすぎたので最後に、個人的に、水瀬いのりちゃんのライブで好きなポイント書き綴っておきます。

唯一無二。息もつかせぬ怒涛のトーク。

僕の思ういのりちゃんの最強の武器がこれ。
次から次へと言葉が出てくるのに、全部頭に入ってくる。
水瀬いのり現場は厄介が多いとかそういうイメージある人もいるかもしれないですが、トーク中、オタクが茶々入れる暇がないんですよ。喋り続けてるから。
「お水おいしー?」も無し。暗転したところでササッと飲んじゃう(厄介コール代表なのであえて取り上げましたが、個人的に気にならないですけどね、というかどうでも良い)。
こういうところを見ると、いのりちゃん、いい意味で、アイドル的な活動では無くて、ごく普通のアーティスト活動をしたいんだなとかちょっと思ったりする。
アイドルだったらもっとお客さんとお約束的コミュニケーション取るからね。

高音域フェチにはたまらない。水瀬いのりの最高音。

自他共に認める高音域フェチの僕ですが、いのりちゃんの最高音は別格。
武道館初日はピッチ面でやや不安を残したパフォーマンスでしたが、二日目は完璧に合わせてきていて信頼の塊でした。
僕が彼女のファンになったのは今思い返せば、高音域フェチを刺激されたからだったなぁと思い出します。
ちょっと苦しそうなところがまた良い。各曲で最高音に到達するたびにマジで絶頂する。
脳みそが暴れる。なんなら頭頂部から液が垂れてるかもしれない。
お気に入りはやっぱり「harmony ribbon」。
ラストの「lalala」は僕、もともと声は高いほうですがそれでも結構きつくて、オクターブ下げずに負けじと歌って一緒に絶頂して喉ぶっ壊すまでがお決まりになってきましたね。

武道館の特別演出、ストリングス隊。

もう多分、他所でも散々触れられていると思うんですが、触れざるを得ない、ストリングス隊。
「私の楽曲は”弦”が映える曲がたくさんあって。」
ただの味付けじゃないんですよ。
水瀬いのりの楽曲・歌声を、ストリングス隊をバックに聴くってもう、贅沢フルコースなんですよ。
「TRUST IN ETERNITY」からもうずっと震えていました。生音最高。

今を僕らしく生きてくために

今回のライブで聴いて大好きになった。
歌詞がいいね。歌詞が。何かを捨てて、何かをやめる歌なんですよ。自分らしく生きるために。
不安だったり、重荷だったり。見栄だったり、恥だったり。
一瞬後ろ向きに見えてしまう可能性のある「捨てる」という自己肯定ソングを、こんなに明るいリズムで歌われて、「うわー!!!いのりちゃんにぴったり!!!ついでに僕にもぴったり!!!これもう僕が実質いのりんだわ!!!」とか無限に高まってしまいました。

やっぱり、足の開き方がおっさん。

2年以上前にもこんなつぶやきしたんだけど、

やっぱりこれだけは譲れない。世界の誰よりも好きな自信がある。
いのりちゃんの足の開き方がちょっとおっさんっぽいところ。最の高!!!
無頓着って表現はちょっと失礼ではあるけど、何よりも彼女のキャラクターが嘘でないことを足の開き方が証明してくれていて、心の底から好きなんですよ。
どうか、これからもずっとそのままでいてください。




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